本山の里はお茶の理想郷
 
よい茶葉は土づくりから始めます。
 
荒茶づくりから仕上げまで。職人技が活きています。
 
 
 

■最高のお茶は土づくりから

お茶は製茶という工程を踏む特殊な農産物です。 けれど、製茶技術がどれほどすぐれていようと、もとになる生葉が良くなければそれ以上の味を引き出すことはできません。佐藤製茶グループのお茶づくり全体を仕切る森藤富士雄は、その意味で「いかによい生葉をつくるかが最大のテーマ」と言います。 そして、最高の生葉を育てるために最も大切なことは、「肥料をいかに少なく、いかに有効に生かすか」だと。「最高の味を追求した結果 、私たちは有機液体肥料など自然界にある有機質の肥料を中心にした管理を選択することになりました。自然環境をできる限り汚さないことが味の良さにもつながるんです。」 有機肥料中心の土づくりを何年か続けると、やがて地中に多くのミミズがすむようになり、森の土のように土壌がふかふかとしていきます。そんな土が育む茶樹はとても健やか。春には自然そのもののうまみをたっぷり含んだ新芽が育ちます。 肥料は、その種類や量はもちろん、施肥の時期によっても効果 が全く違ってきます。「どのタイミングでどんな肥料をどれだけ与えるかの見極めが肝心」(森藤)。まして効果 が穏やかな有機肥料を最大限有効に利用するには、茶農家としての長期的な視野と経験、それに年間を通 じてのきめ細かな世話がものを言います。私たち佐藤製茶グループは自社茶園に試験茶園を設け、よりよいお茶をめざして現在も有機肥料栽培試験を重ねています。
■「本山の会」から始まる契約農家とのいい関係
私たち佐藤園グループのふるさと大原地区を中心とした地域は、早くから有機肥料 栽培に取り組んできたところ。私たちはこの地域の茶農家約350軒と提携し、ふるさ とが生む良質な茶葉を安定的に確保しています。中でも契約農家による「本山の会」 とは、毎月情報交換を行ったり有機肥料を一部無償提供したりと、茶園管理の段階か ら協力をはかってきました。「本山の会」会長の佐藤師朗はこう語ります、「会員同 士がある意味でライバル。失敗も成功も話し合いながら互いに研究を重ねています。 自分たちが佐藤製茶のお茶を任されているという誇りを持って取り組んでいきたい」 と。同じ茶農園として志を一つにし、信頼関係を強めていくことが、地域全体の底上 げにつながると私たちは考えています。
■無農薬栽培への挑戦
本山の里のような比較的涼しい山間地は、病害虫に打撃を受けにくく、無農薬栽培に 向く環境といえます。けれど、完全な無農薬栽培で安定的な収量 を確保するのは至難 の業。それでも「本山の会」には意欲的に無農薬栽培に取り組んでいる会員がいます。 時間をかけて害虫の天敵を増やし、有機肥料を補いながら、茶樹自体に体力をつけて いきます。手間はかかりますが、できあがるお茶は昔ながらの味わい。そして何より 安心して飲んでいただけるお茶です。「本山の会」と私たち佐藤園グループは、他 のすべての茶園でも農薬を極力減らす努力を続けています。夏場の整枝作業に工夫を 凝らして害虫を防ぐなど、対策を研究しながら「使わなくていい時は使わない勇気を 持つ」のが私たちの基本姿勢です。
農薬残留検査は17項目に渡り検査済(不検出)
実施日:平成13年5月30日
第001306-1号 静岡県公認登録第122-6号
株式会社エコプロ・リサーチ
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■肥培管理(摘採期〜秋)
生葉の質を決める上で最も大切な作業。 梅の咲く頃から穏やかな有機肥料を与え始めます。一番茶の収穫後には即効性の肥料を施し、次の新芽を育みます。
■整枝(夏)
摘採した後の整枝技術の良し悪しが、次に出るニ番茶の出来や翌春の新芽に影響します。収穫後は茶樹が夏の間元気に過ごせるよう、余分な葉を刈り取ります。
■防寒(冬)
静岡の冬は乾いた冷たい風の吹く晴天の日が続きます。茶園では地に藁を敷き、地温を適度に保ちながら土を乾燥させないように気を配ります。
■防霜(春)
新芽が芽吹く頃は茶農家が遅霜の害に神経をとがらせる時期。霜よけの設備等をして生まれたての新芽を守ります。
■摘採(初夏)
新芽の「旬」はわずかな期間。最高のタイミングを見極めて収穫します。摘み方によっても味は変わります。爪を立てずに一芯二葉をていねいに摘み取ります。

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