中間コストを徹底削減。この差は価格と質に現れます。
■栽培から販売まで自社の手で
農産物でありながら加工を必要とする、お茶。生葉を摘んでから荒茶に加工するまでの工程はスピードが要求されるため生産地で行われ、また荒茶を商品に仕上げる工程は荒茶の集まる都市部で主に行われています。この特殊性から、お客様にお茶が届くまでには今も、斡旋・仲買人や運送業者などさまざまな人の手を介する複雑な流通 経路をたどっています。けれどそれは、必要以上に価格を高くすることにもつながります。私たち佐藤製茶グループは、生産農家としての立場から、自慢のおいしいお茶をできる限り安く提供したいと考えてきました。茶業界の常識を破る「栽培・荒茶製造・仕上加工・販売の一貫体制」をつくったのも、そんな理由からです。「同じ価格のお茶ならより質の高いものをお届けできます」と言うのは、販売を担当する佐藤製茶部長・森藤 富士雄。「栽培から小売りまですべて自社で手がけているのは業界でも当社しかありません。宅配便などの物流が整ってきた時期にいち早く通 信販売を始め、今のような一貫体制を築いてきました。現在最も力を入れているのは、生産者でもあり茶商でもある私たちのノウハウを、個人のお客様だけでなく量 販店やギフト業界など企業のお客様にもご理解いただくことです」。現在、佐藤製茶グループの卸売部門を担う営業スタッフは、製茶工場の茶師を兼務しています。お茶づくりのプロとして、畑の話から始めたい。より多くのお客様の声を聞きたい、と。お客様とお茶の両方を知る人材がよりよいお茶をつくると森藤は考えています。
■一貫体制のメリット
栽培から小売りまでの一貫体制は、価格の他にも大きなメリットを生んでいます。一つは、お茶の質の安定。茶商は普通 、市場などから買い付けた荒茶を加工して自社銘柄をつくりますが、私たち佐藤製茶グループは、加工する前の荒茶が誰にどう育てられたかを把握し、同じ銘柄のお茶をいつも変わらぬ 味でお届けすることができるのです。もう一つは、消費者の嗜好をダイレクトに畑に生かせること。荒茶からではなく生葉づくりから始めることができるのです。こうして生まれる私たちのお茶は見た目よりも味本位 。外観優先で取引きされるお茶とは、少し違います。
 

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